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道の端に座り込んでぼんやりと空を眺める。清々しいくらいに澄んだ青色に浮かぶ白は一つもない。
「会いたいな……」
思い出したくないのに、考えるのは彼女のことばかりだった。首に巻いたマフラーにそっと触れる。これも彼女がくれた物だ。
思い出したくない。けれど忘れたくもない。捨ててしまいたいのに、いつまでも手放すことが出来ない。
目の奥が熱くなる。じわりと目の縁が濡れる。こんな僕を見たらきっと彼女は笑うだろう。その笑顔を隣で見れたらどれほど良かっただろうか。
彼女を亡くして想う。永遠と彼女を強請っている。人混みで空目して、夢の中で探す。未だに忘れることが出来ない。
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