ぼくのあまい1日。

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 カーテンの隙間から朝日が差してきて、丁度僕の顔を照らす。  目を瞑っているから真っ暗なはずの視界がオレンジ色に見えて、ぱちぱちと瞬きしながら目を覚ます。  もう少し、寝ていたかったというのが本心だが今日は重要な話がある、と会長に何回も言われてしまった為二度寝する訳にはいかない。  時計を見ると現在時刻は6:57。こんな時間に目を覚ましたのは高等部に進学してから初めてのことだ。  頭がぽわぽわとして働かない。  ベッドから起き上がって支度をしないと朝の会議に間に合わないのに、思うのに身体が起き上がらない。 やはり普段慣れないことはする物じゃない。  遅れるかも、と会長である旧友に連絡しようと枕元にあるスマートフォンへ手を伸ばす。 ロックを解除してからトークアプリを開こうとした時だった。  画面が暗くなり、表示される文字は『副会長』。  「もしもし…?」  『あ、春樹、おはようございます。起きてるなんて珍しいですね』  「目、覚めた」  『春樹を起こそうと電話したのですが、必要無かったようですね。今日は先日お伝えした通り、大事な連絡があるので朝の会議が始まる7:30には生徒会室へお願いします』  「ん、わか、た」  『では失礼致します』  そう言ってぷつんと切れた電話。  わざわざ起こそうとしてくれるなんてその大事な連絡とやらは相当らしい。  電話が早々に切れたってことは僕以外の役員にも、電話を掛けるつもりなのだろう。 とことん真面目で徹底主義だけど、周りへの気配りを忘れない彼らしいな、と朝から頬が緩む。  いきなり掛かってきた電話のお陰で、少しは眠気が覚めたので、ベッドからゆっくり起き上がり、ベッドルームからそのままキッチンへ直行する。  「んと、、?ぁ、あった」  食器棚からお皿を1枚だすとトースターの中に入れっぱなしのドーナツを取り出してのせた。そこにカラーチョコをパラパラとかける。  これぞ、甘党の為の甘党が作った超甘党ドーナツだ。  朝からゆっくり甘いものが食べられるなら早起きするのも悪くないかもしれない。  我ながら単純だなあ、なんて思いながらもぐもぐとドーナツを食べ進める。  因みに、生徒会の朝の会議とは毎週月曜、7時半スタートで、 副会長の淹れてくれた暖かい飲み物と一緒にその週にやるべき事の優先順位をつけたり、仕事を溜め込んでいないかの確認をする、ただのお茶会のようなもの。  僕達生徒会は合計6名。  会長の小鳥遊 龍我。(たかなし りゅうが)  副会長の蘋 楓真。(かたばみ ふうま)  会計の宇佐美 美晴。(うさみ みはる)  庶務の相原 空と陸。(あいはら そら/りく)  そして僕こと書記の桐谷 春樹(きりや はるき)  皆は上手く言葉を発せない僕の言葉もちゃんと聞いてくれるし、理解してくれる。  そんなみんなが、僕は大好きだ。
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