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食べ終わってから洗面所へ行くと、会計のミハルくんに貰ったクマの耳が着いているヘアバンドをして、歯磨きと洗顔する。
それらを済ませた後、手ぐしで髪をとかし、庶務の双子のりーくんとそーくんに貰ったヘアオイルをつける。
ふふ、僕の好きなハチミツの匂い。すんすんと良い匂いを嗅いで朝からふわふわとした気持ちになる。
リビングに戻ってから時計を見ると、まだ7時15分。
生徒会専用の寮から校舎までそう遠くもないのでソファーでゆっくりすることにした。
と、いっても特にやることが見つからなかったので、キッチンに行ってから朝の会議中に食べるおやつをじっくりと選ぶ。
リュウガはショートケーキが好きだから、ショートケーキ味のアイスクリーム。
副会長はロールケーキが好きだから、昨日作ったロールケーキを1カット。
ミハルくんはコーヒーゼリーが好きだけど、僕が苦手な為作ってないから、珈琲に合いそうなクッキーを。
りーくんとそーくんはプリンアラモードが好きだからプリンとフルーツを別々の容器に入れ、箱に詰める。ふふん、僕もこれを食べよっと。
全員分のおやつが出来たぞ、と1人でドヤ顔していると、ポッケに入れておいたスマホが震え出した。
画面に表示される文字は『リュウガ』。
一体なんの電話なんだろ?
不思議に思いつつも、取り敢えず電話に出る。
ピッ。
『こんの馬鹿っ!』
ビクッ
電話に出るなり、聞こえてきたのは会長の怒っている低くて大きな声。……しかも悪口。
一体なんなんだとむすっとしつつ、煩くて耳から話していたスマホをもう一度耳に当て、無視している電話に出る。
「リュ、ガどした?眠のに、うるさ、。」
『眠い?煩い?…これだから2年のポンコツコンビはほんっとに』
「バ、会長の、くせ…」
『あ”?お前相変わらず幼馴染様の俺にだけ当たり強いよな』
「電話、どした?」
『無視かよ。まァいい。ハルキ、お前今何時だと思ってる?』
…今?
お菓子選びに夢中ですっかり忘れていた。
今日の朝の会議は出席しないと後々どうなる事やら、と普段リュウガと副会長の鬼コンビニ怒られても全く動じない、あの、そーくんとりーくんさえそう言っていたのに。
__現在、時刻は7:46。
あ。どうしよう。16分も遅刻だ。
「え、と。頭痛が、い、かった」
精一杯考えた言い訳を口にすると、リュウガはあ”ぁ?と唸った。
「頭痛が痛いってなんだよ。お前それでも高2か」
「あ、はは」
誤魔化すように笑ってから再び新しい言い訳を考える。
「あ、鞄、わすれ、かぇっ、た」
「鞄忘れる馬鹿がいるか。ていうかさっさと来い!」
「ん!」
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