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10分後……。
「ハルちゃん〜、このクッキーってもしかして手作り?」
「そ、ぉ!」
「「僕のプリンアラモードも?!」」
「ん!おい、し?」
そう僕が聞くと3人揃って頷いてくれた。
ミハルくんの淹れてくれた紅茶も美味しい。ミハルくんは淹れるのが上手で、それぞれの好みのものを把握している。
リュウガはブラックコーヒー。
副会長は意外にもココア。
僕はオレンジティー。
りーくんはダージリンが好きだけどそーくんはアールグレイの角砂糖が2つ入ったのが好き。
そんないつも通りの生徒会朝の会議を過ごしていると、いきなりドアが開いた。
「おい、お前ら仕事してねェだろ?」
黒帯副会長に投げられたからであろう、少し不機嫌なリュウガが入ってくると、りーくんとそーくんはまだ少し残っていたプリンアラモードを一気に口に入れ、席を立ちリュウガに詰め寄った。
「「転校生ってなあに!?」」
「…ミハル、珈琲いつもの。それ以外は俺んとこ来い」
ミハルくんは面倒くさそうにしながらも生徒会室備え付けキッチンの方へ行き、リュウガは引っ付くりーくんとそーくんをべりっと剥がしてから、真ん中に置いてある会長の椅子へと座り、その周りを僕らで囲った。
「今日の会議はこの事だったんだが…」
ミハルくんがリュウガの珈琲を手にやってくるとリュウガは茶封筒を開き、話し始めた。
「転校生の名前は有栖川 蒼桜。笹原 香奈。どちらも2Sに入る予定だ」
そういうリュウガに少しドキッとする。2S。僕とミハルくんとクラス。
_僕のこと、わ̀か̀っ̀て̀く̀れ̀る̀と̀いいな。
「ハルちゃんのこと、わかってくれる子だといいね」
こちらを見てニコッと微笑むミハルくんに嬉しくなり、ぎゅっと抱き着く。するとぎゅっとミハルは抱き締め返してくれた。
お互いに背中をぽんぽんと叩き離れてからもう一度微笑む。
「…ミハル」
リュウガは少し溜息をつきながらミハルくんの名前を呼ぶ。
するとミハルくんははあいと返事をした。一体何に対して??
「…話を続けるぞ。この学園に所謂一般人がいないのは分かっているよな?」
リュウガのその問いかけに対し、僕達はこくこくと頷く。
そう、この学園は少し特殊で、大手企業の次期当主や位の高い人間の息子達の通う、言わばお坊っちゃま専用の学校。
そんな中でもS組は容姿、地位、学問、運動神経が全て完璧な生徒が揃うクラス。
そんな振り分けの仕方、僕はあんまり好きじゃないし、出来ることなら知りたくなかったけど、生徒会という立場上、仕方の無いこと。
_「転校生、片方は理事長の甥っ子だし、片方は一般人だ」
……ん?
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