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「少し休憩しよう」 「…」 言葉が出ないしずくが頷くのを確認して宗一郎が車を停めた。 宗一郎は身を屈め、俯くしずくを覗き込む。 「大丈夫か?」 「…っ」 我慢していた恐怖が溢れて、堪らずしずくのシートベルトを外していた宗一郎に縋りついた。 「…っ、ふ」 「しずく」 やっと深く息ができた安心感に、しずくは宗一郎の首に回した手に力を込める。 優しく背を撫でる宗一郎に、震えが次第に治まっていく。 「…ごめんなさい」 そっと身体を離せば、微笑んだ宗一郎が頬に口付けた。 「身体が冷たいな。何か温かいものを買ってこよう」 「ぇ…?」 ふと我に返り周りを見渡せば、郊外にあるオープンカフェのようで色々な飲み物がテイクアウト出来るようだった。 「俺も行きます…っ」 「分かった」 頷いた宗一郎に助手席のドアを開けるように促され先に降ろしてもらう。 地面に降りてみると足元が少しふらつくがしばらくすれば治りそうだ。 平日という事もありカフェの客は疎らで、特に待つことも無く飲み物を注文する。 しずくは温かいココアを買ってもらい、宗一郎と共にカフェから離れた椅子に腰かけた。 「買わせてしまって、すみません…。ありがとうございます」 「どういたしまして」 コーヒーを飲む宗一郎に、しずくも一口ココアを飲んでみる。 ──甘くて、あったかい。 「美味しいです」 「…そうか」 思わず微笑んだしずくに宗一郎は安心したように頷いた。
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