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宗一郎が言った通り、カフェを出てから三十分ほど走ったところで水族館に着いた。 「よく頑張ったな」 「…ありがとう、ございました…」 ぐったりとしていたしずくは何とか顔を上げて宗一郎に微笑む。 ──着いた…! 嬉しさが込み上げて笑みを深めたしずくを宗一郎が突然強く抱き寄せた。 「わ…っ、…宗一郎さん?」 「…運転していると君を支えられなくて歯痒かった」 「…そんな…」 「本当に良くやった」 「…っ、ありがとうございます…っ」 自身を包む温かさに、しずくはほっとして擦り寄る。 宗一郎が運転する車でなければきっとここまで辿り着かなかっただろう。 触れなくても、隣にいる宗一郎がずっとしずくを支えてくれていたからここまで来れた。 「…さぁ、行こうか」 「はい!」 二人で車を降り、水族館の入口へ向かう。 都心に作られた水族館は、平日である今日は比較的空いているようで駐車場もかなり余裕があるようだった。 エントランスを抜けてチケットを購入する。 またしても料金を宗一郎がまとめて支払ってしまい、しずくは慌てて後を追いかけた。
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