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「先生、今日は本当にお疲れ様でした!」 「いえ、今日は遅れてしまって、本当にすみませんでした…」 「大丈夫です!今回は先生の人脈を広げるために来てもらったので、色んな方に挨拶できただけでも十分です!」 何とか挨拶回りを済ませた所で気力を使い果たしたしずくは、早めに退場することに決めた。始終体調を気遣ってくれていた川口も頷き、二人でホールの出口へ向かう。 「私はこの後会場の片付けがありますのでご一緒出来ませんが、先生お一人で大丈夫ですか?」 心配そうに見つめられ、しずくは情けない気持ちで頷いた。 「大丈夫です…っ!今日は本当にありがとうございました」 「ですが…、あ、先生タクシーで帰られますか?すぐお呼びします!」 スマートフォンを取り出す川口を慌てて止める。 川口には、乗り物が苦手な事をまだ話せていなかった。 「少しこの辺りで寄りたい所があるので、本当に大丈夫です…!」 本当は寄りたい所など無かったが、しずくは小さな嘘をついた。
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