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約束だったからね〜と私の部屋に泊まりに来たコウを迎え、少し背の高いベッドに2人腰かける。 「さくちゃんはさ、デート券でどこ行くの?」 「ああ、それは…」 遊園地だ。 新歓のあと佐久間くんに希望を伺ったところ目元を少し赤らめながら小さな声で遊園地がいいですと言われた。 それにしても遊園地とは何年ぶりだろうか。小学校の頃遠足で行ったきりのような気がする。 コウは、行ったことがあるのだろうか 「コウは行ったことあるんですか?」 「俺?そういや昔母さんに連れてってもらったことはあるかな」 「なるほど」 コウも頻繁に行っているわけでは無いようだ。 もしそうなら色々と教えてもらおうと思ったが、佐久間くんは詳しいのだろうか。それなら安心だけど。 コウの横顔を近くで眺めながらそんなことをぼんやり考えた。 昼過ぎの夕暮れ時、吟は買い物に行ってるようで部屋にはいない。2人だけの時間。 なんとなく見つめているコウの毛先が部屋の窓からさす夕暮れの茜色に染まっている。 それをなんとなく綺麗だな、と思いするり手を伸ばし触れてみると、ふと今気がついたかのようにこちらに顔が向けられる。 少し目が細まり、なぁにと甘やかすような掠れた声で問われる。 それに答えは返さず、髪に触れていた手を下ろしていき、きゅっとコウの手を握ってみた。 「今日は甘えたなさくちゃんだねぇ」 「うるさいですよ」 「はいはい」 ぽんぽんと頭を撫でられる。 年上面をされているようで少しむっとした。 年は変わらないのにこうやって隣にいると何故か自分がとても小さな子供になった気分になる。 それは昔からそうだった。 皆がいる前ではおちゃらけて頼りないように見せるのに、2人きりになると兄のような風貌を見せる。 結局それに甘やかされる自分も少し嫌だった。 私の方が大人なのに、なんて子供じみた駄々をこねたくなる。 それくらいコウはいつも私のそばにいた。
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