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全ては………
一万年前
そこに数人の男女の姿があった
ある男を中心に集まった6人の男女
彼等に向かうところ敵なし
彼等に勝てるものはなし
彼等はある目的のため
この荒廃した世界で戦っていた
「アモン。これからどうするの?!」
「ベルが封印してくれている。常に奴を食っているからな。後は残党狩りだ。この世界にあいつが残した意志。神獣がいる筈だ。それを潰す」
虚空の空を眺めながら
悲しそうに
苦しそうに
語るアモンと呼ばれた男
辛そうなのに
前を見る目には光が灯っていた
強い光が
「一つ心当たりがある。俺に任せろ。ニスロク。行くぞ」
「僕はもう動きたくない。ベルがいない世界なんて興味ないんだ。ほっといてよ」
「うっせぇ。僕っ娘。ベルベルうるせぇんだ。俺がいるだろうが。全部たいらげてやるからいくらでも作れ」
「君………その言葉後悔しないでよ?!ベル並みに食べてもらうからね」
その言葉を聞いた瞬間
ニスロクと呼ばれた人物は嬉しそうに
楽しそうに笑う
それを見た大柄の男は恐怖を覚える
「………うっ。少し遠慮してくれ」
アモンと呼ばれた男は
そんな二人を暖かい目で見ている
その他のメンバーは呆れていたのだが
荒っぽい男とニスロクと呼ばれた小柄な人物は何処かに去っていく
荒っぽい男は項垂れながら
ニスロクと呼ばれた人物は嬉しそうに去っていったのだ
「ニスロクだけは。本当に料理しか興味ないんだから」
「あいつが本気出せば、私達の誰よりも恐ろしいのにね」
「本気を出すことは死んでもないがな。真面目に生きるくらいなら、あいつは死を選ぶ」
ニスロクに対して評価が散々なのだが
絶対的な信頼があった
ここにいる者達は
一騎当千
たった一人で国さえ滅ぼせる力を持つ
それほどの力を持っている者達が
恐れるニスロク
どんな力を秘めているのか
想像さえもしたくなかった
「あの二人なら任せて大丈夫だろう。お前達でもう一体探してくれ。レヴィ。お前なら探せるだろう?!」
「任せて下さい。この世界、何処に隠れようと見付けて見せます」
「フェンリル、アポカリプス、クロノス。この三体よね?!フェンリルは高速で移動するから、見付けても逃げられるし、あの二人が探しにいったのは恐らくクロノス。なら、私達が探すのはアポカリプスね」
「そうだ。フェンリルは俺が何とかする。見付けても逃げられる可能性が大きいが、俺の強欲なら、可能性がでかい」
「なら、私のスキルで………」
「やめとこう。リスクが大きい。あいつを捕まえる代償を考えると、とてもじゃないがリスクがでかい」
「………わかった」
こうして残された四人は其々散っていった
役割を果たすために
この世界のために
そして数年後
ある場所にたった一年で巨大な街が
いや
都市ができようとしていた
違う
出来ていた
たった一年で巨大な街が
立派な城が建っていたのだ
その城の地下
一人の男がそこにいた
魔方陣の上で一人佇んでいたのだ
「ごめん。俺はもう死ぬ。お前との約束は守れない。すまないレリエル。でも、転生神は約束してくれた。もう一度巡り会わせてくれると。記憶を失くすことになるが、決してこの想いだけは、絶対に忘れない。何度死のうとも………を止める。お前が描いた平等で平和な世界を築いて………みせ………る」
カランカランカラン
剣を落とすアモン
胸から大量の血が吹き出る
剣に血が降りかかる
「ハァハァハァハァ。もう限界か。………。最後に頼む。結局俺はお前を使いこなせなかった。お前の本当の力を使えば、………を止めれたのに。俺は帰ってくる。その時、俺にもう一度力を貸してくれ。見捨てないでくれ」
そう言い残し男は死んでいった
魔方陣が怪しく光り輝き
死んでいったのだ
そして
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