クリスマスの日に……。

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クリスマスツリーの点灯式か。 我がホテルは、毎年巨大ツリーの点灯式がある。 芸能人も参加するため取材陣も来たりして 豪華なイベントだ。 でも……今は、そんな気分ではなかった。 次怒られたら……きっとクビにされてしまう。 総支配人に失望されてしまう。それが辛かった。 ハァッ……とため息を吐きながら仕事に戻ると 私は、部屋の清掃をした。 「ちょっと、佐藤さん。 ため息をばかりしていないで、ちゃんと掃除して!」 「は、はい。すみません」 先輩に怒られてしまった。 いけない……また失敗をするところだったわ。 私は、慌てて部屋の清掃を開始する。 しかし、その時だった。 気づかなかった……お客様の指輪を落としてしまい ベッドの下に落ちてしまったことに。 しばらくしてそこの部屋のお客様が騒ぎ出した。 「私の豪華な指輪がないってどういうことよ!?」 「申し訳ありません。すぐに探しますので……」 私は、何度も頭を下げる。またやってしまった……。 もう後がないのに……自分の情けなさに嫌気が差した。 お客様を何とか説得をして クリスマスツリーの点灯式に参加している間。 私と里香達で指輪を探した。 しかし、なかなか見つからない。 その間にクリスマスツリーの点灯式が近付いて行く。 このまま見つからなかったら……。 私は、本当に総支配人に失望されるだけではなくて クビになってしまう。どうしよう……そんなの嫌だ。 自分でどうにかしないと……自分のせいなんだから 「あの……皆さん。後は、私1人で探しますので 皆さんは、自分の仕事に戻って下さい」 「えっ……でも……」 「これは、私の責任ですので自分でどうにかします。 ご迷惑をかけてすみませんでした」 申し訳なさそうに頭を下げた。これは、私の責任。 私1人で解決をしないとダメなんだ。 泣きたい気持ちを必死に我慢をする。 「大丈夫?春菜」 「うん。里香もごめんね……」
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