1.浪人決定!

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 お父さんとお母さんにLINEしなくちゃ。  駅の階段を登りながらスマホを取り出し、涙でかすむ画面に苦労しながら入力する。    改札を通り抜けて、電光表示板でもうすぐ電車が来るのを確認して、LINEを送信した。  ホームへの階段を降りて、黄色いブロックラインを越えてホームのギリギリに立つ。    もう死んじゃいたい。  どうせ、あたしの人生なんて、これまでもこれからも良いことなんて全然ないんだ。  『2番線に電車が参ります、黄色い線の内側へ下がってお待ちください』  アナウンスが流れるのと同時に、手に持ったままのスマホが震えた。  画面を見ると、ポップアップでお母さんからのメッセージが表示されている。  長そうな文章だ。  スマホをスワイプしてメッセージの全文を読もうとしたとき。  凄い勢いで階段を降りてきた人が、あたしの横でこけそうになりあたしに思い切り寄りかかってきた。  大柄な男の人に全身でぶつかられて、あたしは声も出せずバランスを崩しよろけて…  ちょうど電車が入ってきた、線路の上に落ちた。    ホームにいる人たちの悲鳴が響き、電車が急ブレーキをかける耳障りな金属音が辺りに満ちる。    背中を強打して、痛みに気を失いそうになりながら、身体を起こそうとした。  目の前に迫った電車の巨大な車体の、何故か運転手さんと目が合った。  運転手さんの、驚愕と恐怖の表情。      それが、あたしの見た最後の光景だった。
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