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「さあ、拙者の身の上話はここまで!商談に入ろうぞ。邪魔するでぇ。」
ハムスターはとっとと話を終わらせ、家の中へスルスルと入っていく。
「うわ、おい!」
僕も慌てて追いかけた。
家族にすら出入りを禁止している自室に入られたらマズイ。
せめて居間に、どうか僕の部屋には入らないでくれ!
「む?何でござるかこの部屋は。」
「ぎゃー!」
ハムスターは僕の部屋の前で、ドアを全開にして首をひねっていた。
「見てない、見てない、お前は何も見ていない!わかったか!」
僕はバターンとドアを閉めると、ハムスターを抱きかかえて居間に向かった。
「ハア、ハア……。」
「ほーっ、これは見事な!流石未来や!」
ハムスターはチョコンとソファーに腰掛け、目を輝かせる。
このマナーのなさ、たかがソファーでここまで感動できる神経。
どうやら過去から来たのは本当らしい。
とすると、疑問は二つ残る。
「なあ、何でお前ハムスターなのに人の言葉話してんの?」
「む?おおそうか、この珍妙な生物ははむすたあと申すのか。」
「……?」
僕はハムスターの体を隅々まで眺める。
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