失恋。

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「確かに今さらかも知れない。 悲しくて……向こうで他に何人の女性と 付き合ったりもした。でも、お前を忘れなくて そのたびに長く続かなくて。 ずっと未練を残したままだったんだ。 帰国しても今さら連絡もとれなくて今でも お前の携帯番号を消さずに残しているんだ!」 「半分諦めていた時に今日会えた。 お前にとったら最悪な日かも知れないけど 俺にとったら最大のチャンスなんだ!! 好きだ。俺達……やり直そう」 理人は、私に告白をしてきた。 まさかの告白に私は、驚いてしまう。 だが、とても嬉しかった。 本当は、自分もずっと同じ気持ちだったからだ。 理人を忘れようと学業や仕事に没頭した。 他の異性とも付き合っていたが 何処か比べるところがあって結局、長続きしない。 今回の元カレだって……本当は、少し理人に 似ていたから付き合ったようなものだった。 まさか、浮気されてフラれるとは、思わなかったけど。 「失恋した後で……言うのもなんだけど ごめん。俺……ムードとか作るの下手だから」 不器用ながらも気持ちを伝えようとしてくるところも 昔と変わらず相変わらずだ。 「ううん……凄く嬉しい。 私もずっと未練があって……同じ気持ちだったから」 「じゃあ、付き合ってくれるか!?」 驚きながらも嬉しそうな表情をする理人。 そこも相変わらずだ。私は、小さく頷いた。 すると理人は、嬉しそうに私に抱きついてきた。 まさか元カレに再会するなんて夢にも思わなかった。 だが、こんなクリスマスもありかもしれない。 失恋も悪くないかも……そう思えるのは、 やっぱりまだ彼のことが忘れられずに好きだからだろう。 ずっと、言い残していた気持ちを再確認する。 それは、一室のホテルの部屋で起きた ほんのり切なくて奇跡みたいな出来事だった。 END。
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