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「ねえ、パパ。このお姉ちゃんがサンタさんからのプレゼント?」
わたしをまじまじと見た後、みゆりちゃんが先生に訊いた。
ん? どういう意味だろう? ビックリし過ぎてパニックになってるのかな?
「え? ああ、お姉さんがプレゼントを持って来たんじゃないよ。プレゼントはみゆが寝てからちゃんと本物のサンタさんが持って来てくれるから」
そういうことね。サンタの使いか何かと思われたのかな。
「なんだ、違うんだ……」
おや? もしかして、がっかりされた?
変な女が来て不愉快な気持ちになってる?
嫌われちゃいけないと思ってたのに、第一印象最悪じゃない?
スタートで見事に躓いて不安だったけど、みゆりちゃんの方が大人だったようで怪しげなサンタの女とも仲良くしてくれた。
「お姉ちゃん」って呼んでくれるのは嬉しいけれど、ちょっぴり罪悪感。でも、おばさんって呼ばれるほどでもないとも思うし……三十一って微妙だな。
三人で食事して、ケーキを食べて、何だか妙に楽しかった。
子持ちの人と付き合ったことなんてないので、子どもと一緒に食卓を囲んだ経験もなかったけれど、お世辞抜きに本当に楽しかった。
子どもと接する機会もないし、話し合うのかな? って心配だったけど、みゆりちゃんは知らないわたしにも分かるようにお話ししてくれた。
先生も治療中に見る真剣な顔とは違い、娘さんの前ではリラックスした柔和な顔をしていた。
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