サンタがパパにキスをした

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 ああ、どうしよう。急に服を脱がされて、妙なオイルとか塗られてしまったら……♡  淡々と施術は進んでいくのに、わたしだけ勝手に興奮して鍼をさされる度に声が出そうになる。  そんなことしたら出禁になりそうなので、もちろん我慢しているけれど。 「では、うつ伏せになって頂けますか」 「はい……」 「背中を診ますので、服を捲らせて頂きますね」 「はい……ええっ!?」  背中!? そうだよね。鍼をする時はいつも服を捲って背中を見せている。お馴染みのおっちゃん先生ならいくらでも見せてやるけど、広木先生は困る。  だって、もう一年以上彼氏もいないし、背中なんてノーマークで何のお手入れもしていない。  毛がボーボーだったら? 正体不明のブツブツがあったら? 背脂がたっぷりだったら?  大変だ。これはえらいこっちゃ。こういう時に女子力が試されるのだ。  今日はブラじゃなくてブラトップだし、できることなら見られたくない。 「あ、あの……電気を消してもらうことって……」  言ってから「しまった!」と後悔した。鍼治療の最中に電気など消せるわけがないじゃないか。  それこそ、違う施術を期待しているみたいだ。(まあ、してないと言えば嘘になるけれども) 「へ? すみません。それは無理ですね。鍼が見えなくなりますから」 「で、ですよね……」  マズいよ。さっきから変なことしか言ってなくない? 頭のおかしな女だと思われたくない。できることなら、いいオンナだったなっていう印象を残して帰りたいのに……。
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