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「一度、娘にも相談してみるよ。申し訳ないけど、娘が嫌だって言ったらナシの方向で」
「分かりました!!」
即OKはもらえなかった。
これは断られる流れだなぁと直感的にそう思った。
娘さんはわたしのことを知らないし、クリスマスパーティーをしたいと思ってくれるはずなどない。
アイデアは悪くないと思うんだけど、こういうのって先生と付き合ってからやるもんじゃないのかなって今頃気がついた。
そろそろ娘にも紹介したいんだ的な?
だって、今の時点で娘さんにわたしのこと何て説明すんのよ。
パパの整体院に通ってる変なストーカーの女?
そんな女、大事な娘に会わせてくれるわけないじゃん。
ハァーやっちまったー!!
半分断られた気でいたわたしは、先生からOKの連絡をもらい、信じられない気持ちでドンキに走った。あんなこと言ったけど、サンタの服なんて持ってはいなかった。
女性物のちょっとエッチな感じのサンタの方が個人的には気になるけれど、先生を制するためにはまず娘さんに嫌われてはいけないので、男性用の普通のサンタさんの服を買った。
ドキドキしながら当日を迎え、サンタの衣装に身を包みむと、七時頃、先生の家に向かった。
服はブカブカだし、立派なあご髭までつけてしまったもんだから、行き交う人の視線は若干痛め。
「ニセモノだー」って子どもたちには笑われるし。
別に家から着て行かなくても、先生の家で着替えればよかったと後悔した。
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