もうひとりのマイ

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もうひとりのマイ

英臣はわたしを抱きしめると話し始めた。 「マイはある日突然いなくなってしまったんだ。お気に入りの蛇尾川によく行っていたんだけど、いなくなった日蛇尾川には珍しく水が流れたんだ。それで、きっと川に流されてしまったんだろうって言われて…。村人総出で探したのに手がかりになるもの一つも見つからなかった。 もうマイは死んだんだ、ってみんなに説得されて、でも納得できなくて、毎日蛇尾川に行ったんだよ。 だからあの日、真衣を見つけた時には、自分を信じてて良かったって本当に思ったよ。 やっぱりマイは死んでなかった。でもあんまり喜ぶと、夢がさめるように、またマイがいなくなりそうで普段通りに接したんだよ。 記憶がなくなってるようなのが、心配だけど、きっと記憶がなくなるくらいこわい思いをしたんだろうなって思ったんだよ。」 なんだかよくわからないけど、じゃあこっちの私が現実のわたしで、あっちの世界は川に流されている時にみた夢なのかな?
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