秋哉 四回目の――

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するとカズエがパッと割って入って、 「潤ちゃん、私とお風呂はいろう。この間100まで数えられるようになったって言ってたでしょう。カズちゃんに数えてみせてよ」 「いや、ウルはナツキちゃんとはいる」 春一が眼差しをキツくして、 「潤、それはダメだ」 またひと騒動起きそうな気配を察したのか、 「潤、じゃあママとカズちゃんと三人で入るのはどう?」 鈴音が提案してきた。 潤は伺うように顔をあげ、 「うん、ママとカズちゃんとはいる」 「いい子ね」 鈴音はクルリと潤の頭を撫でると、 「私、お風呂の用意をしてくるから、春さんは片付けものお願いね」 ポンと言って、部屋に戻っていく。 春一も、 「わかった」 残っていたビールをひと息に飲み干してしまうと、腕まくりしながら慣れた風にキッチンに立った。 そのまま食器洗いを始める。 夏樹は潤をあやしていて、カズエも、 「私も準備しなきゃ」 と言って荷物を入れた部屋に行ってしまうから、手持ち無沙汰なのは秋哉だけになった。
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