秋哉 四回目の――

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春一の傍らに、伺うように立つ秋哉に、 「たまの家なんだ。座ってろ」 春一は皿を洗いながら顔もあげずに言う。 「……だって」 「なんだ?」 「オレだけ、なんもできねーってのは、ちょっと……」 この家の主役は、いつの間にかすっかり潤になっていて、すべてが潤を中心に回っている。 春一や鈴音だけでなく、夏樹やカズエまで、潤が一番だ。 別にヤキモチを妬いているわけではないが、潤に嫌われている秋哉は、すっかり所在がない。 それが少しだけ悔しくて、寂しくて、 「スズネもアレだな。ぜんぜん変わっちまったんだな」 「変わった?」 「うん。昔のスズネだったらハルに皿洗いなんか頼まなかっただろう。ハルもすっかりスズネの尻に敷かれちまったなー」 からかうようにニシシと笑うと、 「秋哉」 低い声で名前を呼ばれて、ピャッと背筋が伸びた。 久しぶりに聞く、春一の怒った声。 「なんだよ、ジョーダンじゃねーか」 小声で言い訳を試みる秋哉にかぶせるように、 「皿洗いなんて言うな。俺がやってるのは、このの仕事だ。鈴音の仕事ってわけじゃない」 「……」 「昔は確かに俺は鈴音に甘えっぱなしだったかもしれない。 でもの仕事ってやつは細かくて毎日あって大変なんだ。だから鈴音やカズエさんが家事をやって当り前なんて考えなら、俺は怒るぞ」 「……もう怒ってるじゃんか」
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