秋哉 四回目の――

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情けない声で訴える秋哉に、春一はふと苦笑いを漏らす。 「鈴音に言ってもらわなきゃ、俺は気づいてやれないんだよ」 どうやら怒っているのは秋哉にではなく、自分自身にのようだ。 「家ってのは家族みんなで作っていくものだろう。だれかひとりで負うものじゃないよ」 春一は、 「だから、俺みたいなのは致命的だ」 少しおどけたように言うが、それでやっと秋哉も思い出す。 春一が、ずっとひとりで抱え続けた、ひとりだけという家族の秘密。 ある意味それが、昔の来生家をバラバラにした原因ともいえる。 少なくとも秋哉は、それを理由に家を出た。 春一を恨んでいるわけではない。 だけど秘密にされたことが、重荷を一緒に担がせてもらえなかったことが悔しかった。 「失いたくないなら全員で大切にしていくんだぞ」 春一が言うからこそ、身に染みる言葉。 は、けしてひとりで作るものではない。
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