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シンと静まり返った部屋の中、しめやかに年が明けていこうとしている時間。
静かだけど、それぞれの部屋からは春一と鈴音、夏樹と潤の、家族の息づかいが感じられる。
けして孤独ではない空間の中で、秋哉とカズエはテーブルに向き合って、カップメンをすすっている。
香ばしい香りが鼻をくすぐる湯気の向こうにお互いの顔。
「……なぁカズ」
秋哉はゴクンと汁を飲み干して口を開いた。
「オレと結婚してくれねーか」
するりと言葉が滑り出た。
「カズとこれからもずっと、一緒に年を越したいんだ」
そう続ける秋哉に、カズエは咥えたばかりのおアゲをグイグイと飲み込んで、熱かったのか、少しだけ目を白黒させる。
そして、
「うん、いいけど」
拍子抜けするほど、あっさりとOKの返事をくれた。
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