秋哉 四回目の――

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するとカズエは、ふいにそっぽを向いてしまって、 「アキに任せてたら、いつになるかわかんないじゃない」 「え?」 「私はもう十分待ちくたびれたの。プロポーズしてくれたからには、後は超特急で行くから、あんたも腹括(はらくく)んなさいよね」 「――え?」 「式場の予約から新婚旅行の段取り、新居の手配まで全部やっとくから、アキは体だけ空けといてくれればいいから」 怒濤のように告げるカズエは、超特急というよりカタパルト射出だ。 目の回る急展開。 「……カズ」 思わず呆然としてしまう秋哉の胸に、カズエがギュッと荷物を押しつけてきた。 そして、早く行けとばかりに、ポイと外に放り出されてしまう。 バタンと無情にドアが閉められて、 「ちょっ待てよカズ!」 玄関を振り返って名前を呼ぶ秋哉の耳に、 「アキからのプロポーズ、すごい嬉しかったんだからね」 ふと聞こえた、カズエの声。 ドア越しに息を飲んで、秋哉はドアに耳をくっつける。 カズエは続けて、 「だからこれ、私なりにはしゃいでるんだからね。ちゃんと気づいてよ」 照れくさそうな声で言った。 それから、 「大好きだよアキ、これからもよろしくね」      ――了――
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