83人が本棚に入れています
本棚に追加
そこまで聞いて、やっと鈴音は思い出した。
夏休みが始まる前、転校手続きのために学校に来た鈴音を、飛んで来たボールから守ってくれたイケメン男子。
あの人は確か、
「……生徒会長」
そして教頭から紹介された名前は、
「来生春一」
その名前を呟いたとたん、
「キャーァアアア」
甲高い嬌声があがった。
なんだなんだと声のした方を振り返ると、ドアのところにひとりの男子生徒が立っている。
それは、
「生徒会長よ!」
「会長が来たわ」
「なんだって会長が一年教室に?」
ざわめきの中、生徒会長は手近な生徒に手招きすると、
「雨山鈴音さんを呼んでくれるかな?」
最初のコメントを投稿しよう!