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私は、博美と隆司を許さない。
絶対に…
天涯孤独
その言葉に当てはまる人間がいるとすれば、それは私だろう。
私は父親の顔を知らない。
母は、女手一つで私を育ててくれた。
当時、私には意味が分からなかったが、私は母の親族から「不倫の子」と言われていた。
私が8歳の時、母は おまじない の言葉を教えてくれた。
エニサヘアモ エニサへアモ エニサヘアモ
本当につらい時、そう唱えると願いが叶うのだそうだ。
そのおまじないをおしえてくれた日の夜、母は死んだ。
原因は不明だが、精神的なストレスと過労によるものだろうということだった。
その後、私を沢山の親戚が育ててくれた。
そのほとんどが共通して言った言葉は今でも覚えている。
「一年面倒みたから、次ね。」
親戚が電話でそう言う度、翌週は私の住む家が変わった。
そうやって、私はたくさんの親戚にたらい回しにされた。
高校を卒業したとたんに、有無を言わさず親戚の家を追い出された。
私は、フリーターをしながら貯金し二浪して大学に入った。
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