狂ったミカン

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 わーは潮(うしお)、みかんがいっとう好きな田舎もんだ。こたつの上でひときわ存在感ば放つ橙色がいなぁ。なんつっても手のひらに載せだどぎの、すっくりぐる丸さがだまらねえ。  そったわーには、もっと好ぎなもんがある。3つ下の弟、未可夫(みかお)だー。村一番の利発もんで、おまげに天使みでえなめんこい顔すとる。小鹿みでえな華奢な身体も愛おすくって、思わず抱ぎすめでやりだぐなる。 「はーすばれんべなぁ~」 「そうだど。風呂さ入るべ」  未可夫とふたりで雪かぎすてがら、まっすぐ風呂場さ直行する。わーの至福の時間だぁ。ふたりでぬぐだまって洗いっこすて、未可夫のすべすべのけっつのめごいどんずとか皮さ被ったちっちぇえはどとか悪戯すんのがたのすい。
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