プライベート

6/42
前へ
/425ページ
次へ
「鴉の事か。」 月島先輩は簡単に言い当てた。 やっぱり。 知ってるんだ。 俺が兵動と一緒に居た事を。。 「連絡があったって・・・。」 ああ。と頷き 秋さんが出してくれた コーヒーに口をつける。 「俺の電話番号をどうやって知ったのか それを教えて欲しいがな。」 ふっと笑いながらそう月島先輩は言った。 「あなたの部下を預かっているが 危害を加えるつもりは無いので しばらく騒がないで頂けると助かる。ってな。」 そんな言い方。。 それじゃまるで一方的にあの人が 悪者になってしまう。 拉致監禁で逮捕されてもおかしくない。 「あ・・あの。違うんです。 そんな事。。あの人はそんな事してません。 吉川を追っていて 見つかりそうになって。 それでコンテナの中に隠れたんですけど ちょっとパニックを起こして・・・。」 「パニック?」 月島先輩にトラウマの話はした事が無い。 自分の生い立ちは入署の時に調べられているとはいえ そこまで人に話したくは無かった。 でも 話さないと 兵動が悪い事になってしまう。 そんな事 絶対に出来ない。 話さないと・・。 意を決して口を開く。 「・・すいません。俺。暗くて狭い所 ダメなんです。トラウマ・・みたいで。。」 じっと見つめられ いたたまれなくなり下を向いた。 警察官失格って言われるのかな。。 そんなトラウマ持っている人間なんて 使えないに決まってる。。。
/425ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2277人が本棚に入れています
本棚に追加