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言えなかった言葉
…ピッ、ピッ、ピッ…
心電図の音が病室に非現実的な空間を作り出す。
彼の頭は鈍器のような物で殴られ、
刃物で腹部を数回刺された。
油断はできないが一命はとりとめた。
結婚を考えてたけど言葉にできるか…
「…っ……。」
目が覚めたようだ。
私はベッド横のナースコールを押し、
看護師を呼ぶ。
看護師が彼を呼び、
「わかりますか?」
と、
聞く。
「…その女が俺に………。」
看護師が振り返ると同時にバックの中に入った大きめのスパナで頭部を殴る。
一発で倒れる。
一発でも血は大量に出るのねという感じだ。
「俺を殺すか、
君が永遠に消えてくれ。
君の束縛には耐え切れない。
異性と通話だけで殴られて、
続けば刺し殺すんだろ?」
「やっぱり私の口からも、
貴方の口からも思ってた台詞は出てこなかった。
ガッカリだわ。」
…出会った時からの日数だけ刺した。
死んでからも気付くのかしら?
私たちの関係が終わった日数。
シーツと血の色で紅白になってる。
「結局、
結婚も付き合うことも叶わなかったわ…
まぁいっか。」
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