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「.......なっ」
琉磨くんの顔が赤く染まっていく
「琉磨くん、顔.......」
「離せ」
思いっきりあたしの肩を掴んで、距離をとる。
「.......っ、痛っ」
反動であたしの体は壁へと打ち付けられてしまう。
「.......悪ぃ」
罰が悪そうな顔になる琉磨くん。
「.......ううん」
近づいたと思った距離もまた離れてしまって、2人の間にながれるのは気まずい雰囲気しかない。
「.......行くぞ」
彼があたしに背を向けて再び研究室へと歩き出すのであたしも琉磨くんについて歩く。
「.......っ」
あの頃のようにまた隣を歩けたらどれだけ幸せだろう。
でも琉磨くんはそれをさせてはくれなくて、いつも近づきそうになると簡単に逃げられてしまう。
あたしは冬也先輩なんかじゃなくて、琉磨くんのことがこんなに好きなのにどうしてそれに気づいてくれないの?
それともあたしの気持ちに気がついてしまったから、距離を取られてしまったのだろうか。
それならそうとそのまま言ってくれた方がスッキリと諦められるのに、それすらも琉磨くんはさせてくれない。
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