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まだわからない。私をつけて来てるって決まったわけじゃない。たまたまこの駅で降りる人なのかもしれないし
もう10時を過ぎてるし、早く帰ろう
急いで家に向かって歩きだす
駅を離れると薄暗い路地を通らなければならない
徒歩10分のところにある自宅に帰る道が、ものすごく遠く感じる
早足で角を曲がると、あの男がついてきているか立ち止まって待ってみることにした
足は震えている
これで角を曲がって来ていたら、完全に私をつけている
恐怖でドキドキが止まらない
時間がゆっくりに感じられた
その時、街頭の灯りであの男が曲がってくるのが見えた
怖い。誰か助けて…
その場から無我夢中で走った
立ち止まったら何をされるかわからない
あの男も走って追いかけてくる足音が聞こえる
いつもなら誰かとすれ違うこともあるのに、今日に限って誰もいない
怖すぎて半泣きだった
そして、マンションが見えてくるとエレベーターに逃げ込み、すぐに家の前まで走った
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