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自分では夢中で逃げてきたから気づかなかったけど、無意識に理一の家の前に来ていたのだ
インターホンを連続して何度も押す
お願い。家にいて。
祈るような気持ちで返事を待った
すぐには反応がなく、いるかどうかもわからない
理一「はい」
インターホン越しに声が聞こえた
理一が家にいてくれただけで、少しホッとしている自分がいる
架純「お願い!理一、助けて!」
震える声で訴える
理一「架純?何があった?今、開けるから」
慌てながらドアが開くと、心配そうな理一が立っていた
理一「大丈夫か?」
彼の顔を見た瞬間、安心して泣きついてしまった
架純「理一ぃ…」
力いっぱい理一にしがみつく私
理一「どうしたんだよ。とにかく中に入って」
泣き止まない私をすんなり受け入れてくれた
玄関を閉めると、まったく離れようとしないので、しかたなくそのままリビングに行った
またあの恐怖が襲ってきそうで、離れられなかったのだ
ゆっくりソファーに座ると泣き止むまで黙って、背中を摩ってくれた
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