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本当に私って勝手だよな
自分から理一を遠ざけたくせに、いくら怖かったからって助けを求めるなんて最低だよね
しばらくして気持ちが落ちつくと、しがみついていた体を起こした
理一「もう大丈夫か?」
心配そうに顔を覗きこんだ
架純「…うん。さっきよりは平気…」
まだ震えが止まらなくて、ずっと理一の腕を掴んでいる
理一「何があったか話せるか?」
一瞬、躊躇したけど、きちんと打ち明けようと思った
思い出して言葉につまったりすることもあったけど、理一は黙って聞いてくれた
ゆっくり少しずつ、怖い体験を話し終える
すると、理一の手に力が入った
理一「マジで許せね~。そいつストーカーだろ。俺、見てくるわ」
立ち上がって外を見てこようと玄関に向かった
架純「行かないで。側にいて…お願い」
誰もいない部屋に1人残されるのは、まだ不安だった
理一「大丈夫!すぐ帰ってくるよ。まだそいつがうろついてないか確認してくるだけだから。安心できないだろ」
理一がすごく頼もしいと感じた
私の為に行ってくれる彼の思いに、少しの時間我慢するしかないと勇気を出した
架純「わかった。気をつけてね…」
ストーカーと出くわして、逆上される可能性もある
彼が無事に帰ってくることだけを願った
理一「じゃあ 行ってくる」
なんとか私を説得すると、理一は出ていった
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