葡萄酒

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葡萄酒

 遠いとおい帝国の  ぼくらが知らない食卓にすら  なみなみと注がれた葡萄酒があった  遠いとおい彼らにも  飲んで飲まれて忘れたいような  辛いことがきっとあった  遠いとおい空の下  ぼくらが知らない神様と乾杯  なみなみと注がれた血の味があった  遠いとおいあなたにも  飲んで飲まれて忘れたいような  辛いことがきっとあった  なみなみと注がれた葡萄酒を飲みほして  ぼくらの涙がお星さまを作ったのです
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