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私がまだ中学生のときのお話です。
ある金曜日の放課後、私は忘れ物を取りに辺りが暗くなった美術室へと向かっていました。
週末だったので、休みの日に家で絵を描きたいと思ったのです。
誰もいない暗い校舎は不気味でしたが、何度も歩いている場所なのでそれほど怖さもないままに、私は足早に静かな廊下を歩いていました。
そして、ようやく美術室が見える直線の廊下に来たとき、廊下の突き当たりにある音楽室からピアノの音が聞こえてきたのです。
辺りが暗い放課後に、誰もいないはずの音楽室からピアノの音が聞こえてくるのは不自然です。
いったい誰がピアノを弾いているのだろう?
そんなことを思いながら、私は悲しげなピアノの音色に導かれるように音楽室へと近づいていったのです。
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