たとえばこんな、シチュエーション

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   もうちょっとだけ、見てたかったかもな…などと、ちょっぴりアブナイことを考えていると、タッタッタ…と、誰かが駆けてくる足音に気がつき、振り返る。 「! まと…」  的場、どうした、と言いかけた大輝に飛び付き。  紅葉は、驚くその頬に自分の唇を押し付けた。 「……」  呆然として立ち尽くす大輝を見てペロリと舌を出すと、紅葉は 「今日のお礼するの忘れてたから」  と言って大輝から離れた。 「じゃーなー! おやすみ~!」  キスされた頬を押さえ、突っ立ったままの大輝に大きく手を振りながら、今度こそ紅葉は帰っていく。 (――的場…)  アオーン…と、遠くで鳴く犬の声が夜空に響く。  オレがヘンな道に走ったら…… 「責任、取れよな」  夜道に残された大輝の呟きが、  遠吠えに混じって夜空に溶けたのだった。           -女装編 END- .
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