たとえばこんな、シチュエーション

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   カラスが鳴き、美しい夕日のだいだい色が校舎を照らす。  備品室の鍵を締めにきた美杉大輝(みすぎ だいき)は、室内に誰かいないか確かめるために、ドアを開けて中に入る。  体育館の影になる室内は、薄暗い。 (…誰もいないな)  積み上げられた机や、備品しかないのを確認した大輝は、ため息を零して踵を返した。         ガタッ 「…」  物音。 (誰かいるのか?)  ゆっくりと振り返る。  薄い膜がかかったような空気に目をこらすと…積み上げられた机と、ロッカーの間に人影が見えた。 「誰?」  ぽつり、と、しかし隠れている相手を恐がらせないように問いかけると、身をひそめていた人影が、ゆっくりと姿を現わした。 「オ、オレだよ…美杉」 「! 的場か?」  メイド服に身を包んだ紅葉を見て、大輝は驚いた声を上げる。 .
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