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第四話:蝕むもの
それからも、浄化作業は続いていた。
私は度重なる疲れからか、体調を崩してしまった。
しばらく寝込んでしまった後も、体調はなかなか戻らなかった。
最初は軽い風邪だと思っていたのだけど、
その軽い咳はいつまで経っても止まらなくなっていた。
常に熱っぽく、身体がだるい。
やがて、咳に血が混じるようになった。
体力が徐々に奪われていく。
肺の病・・
・・いわゆる結核だ。
未来になら、この病気を治す薬もあるのかも知れない。
しかし、今の世の中では、静養による治療のみ。でも、その静養の時間さえ、今の私にはない。
・・そして残念なことに、今の時代に、この病気を治すための確かな治療薬はないのだ。
皮肉なものだ。
あらゆる霊を浄化出来るのに、自分の病気を自分では治せないとはね・・。
ますます、ルナには私の気持ちを伝えることなんて出来なくなった。
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