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何かが私の感覚に呼び掛ける。
まるで、助けを求めるように・・
多くの声が私をその場所に誘う。
私は幸か不幸か、それらの声を聞く能力に長けている。
場所は浜辺の町。
ここからだと、移動に3日ほどかかるのだろうか。
「ねぇ、もう行こうか。
次の場所が私たちを待っている。」
私のその言葉を聞いて、相棒の表情はさらに曇った。
「ねぇ、ツキカ、そんなに頑張りすぎると、ツキカが参ってしまうよ。
今は霊害が蔓延することよりも、ツキカのことが心配だ。」
相棒は優しい。
私はそんな相棒のことが好きだ。
だからこそ、相棒に恥ずかしくない役目を果たさなくてはいけないと思っている。
それ以上に、好きな相棒のためになりたい思いが強い。
「大丈夫だよ。」
とだけ言った。
何があっても、相棒となら乗り越えられる。
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