第二話:封印

1/2
前へ
/16ページ
次へ

第二話:封印

 それから数日後のある日、私は白昼夢を見ていた。 いまよりもずっと未来に、太古より封印された諸悪の根元と対峙する少女たち。 今よりも遥かに平和な時代なのに、それは目覚めようとする。 まるで、平和な世界を破滅させようとするかのように。 そうか。 その日が来るのか・・。 今のこの時代に、あれを蘇らす訳にはいかない。 あれが今の時代に蘇ったら、人の世は確実に終わる。 「ねぇ、仲間たちを避難させた方がいいんじゃない?」 相棒の仲間たちは、多くの負の感情が渦巻くなかで、マスターを失い、みんな霊力を著しく削がれている。 このままでは、仲間たちの存在自体が、よくない方向に利用されるかも知れない。 何よりも、あれを蘇らせるきっかけともなりかねない。 相棒の仲間たちに、そんなことはさせない。 絶対に・・。 「確かに、私も心配だよ。 でも、仲間たちを避難させたら、ツキカと私だけになるよ。」 相棒は心配してそう言った。 「私ね、仲間たちを良くない方向に利用されたくはないの。 大丈夫よ。 私が頑張るから。」 その言葉に、相棒は力なく頷くだけだった。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加