14人が本棚に入れています
本棚に追加
第二話:封印
それから数日後のある日、私は白昼夢を見ていた。
いまよりもずっと未来に、太古より封印された諸悪の根元と対峙する少女たち。
今よりも遥かに平和な時代なのに、それは目覚めようとする。
まるで、平和な世界を破滅させようとするかのように。
そうか。
その日が来るのか・・。
今のこの時代に、あれを蘇らす訳にはいかない。
あれが今の時代に蘇ったら、人の世は確実に終わる。
「ねぇ、仲間たちを避難させた方がいいんじゃない?」
相棒の仲間たちは、多くの負の感情が渦巻くなかで、マスターを失い、みんな霊力を著しく削がれている。
このままでは、仲間たちの存在自体が、よくない方向に利用されるかも知れない。
何よりも、あれを蘇らせるきっかけともなりかねない。
相棒の仲間たちに、そんなことはさせない。
絶対に・・。
「確かに、私も心配だよ。
でも、仲間たちを避難させたら、ツキカと私だけになるよ。」
相棒は心配してそう言った。
「私ね、仲間たちを良くない方向に利用されたくはないの。
大丈夫よ。
私が頑張るから。」
その言葉に、相棒は力なく頷くだけだった。
最初のコメントを投稿しよう!