第三話:限界を超えたもの。

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「何いってるの? ルナ、私は霊害を浄化するための存在よ。 たとえこの身が滅びようとも・・」 そこまで言って、相棒は私の言葉を遮った。 「ツキカはわかっていない。 確かに、私はエルフィンで、マスターがいないと自分の霊力もろくに維持できない。 でも、それだけじゃない。 私にとって、マスターは大切な存在なんだ。 元気で笑って、生きていて欲しいんだ。」  そんなこと、私だってわかっている。 ルナのような存在がいるからこそ、この世の禍々しいものが浄化できるんだ。 ただ、今は私がマスターなだけ。 私がいなくなっても、ルナがいれば、ルナが宿る月のロッドがあれば、どんなときでも世の中に希望はある。 「そんなこと言っても、私には、エルフィンマスターとしての責任があるわ。 それは、ルナ自身が一番解っていることでしょ?」 しかし・・ 「だから、ツキカはわかっていないって言ってるの!! 大切ってことは、好きってことだ!! 誰よりも、何よりも大事な人なんだ!! 私が今まで、どんな思いで今までのマスターと別れてきたかなんて、ツキカに解ってもらおうなんて思わない。 でも、これだけは覚えていて。 私はエルフィンだけど、マスターになってくれた人間のツキカが好きなんだ。 自分のマスターには笑っていて欲しいんだ。」 と、そう言ったのだった。  幼い頃より、自分自身の霊力の高さから、周囲から気味悪がられて、いつも独りぼっちだった所を救ってくれたのは、他ならないルナだった。 あの時に、ルナに会っていなければ、私は生きてはこれなかった。 だから、恩返しがしたい。 私も、ルナが好きだ。 私も、ルナには笑っていてほしい。 ずっとずっと笑っていてほしい。 出来ることなら、ずっと一緒にいたい。 でも、エルフィンと人間とでは、あまりにも寿命が違う。
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