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「何いってるの?
ルナ、私は霊害を浄化するための存在よ。
たとえこの身が滅びようとも・・」
そこまで言って、相棒は私の言葉を遮った。
「ツキカはわかっていない。
確かに、私はエルフィンで、マスターがいないと自分の霊力もろくに維持できない。
でも、それだけじゃない。
私にとって、マスターは大切な存在なんだ。
元気で笑って、生きていて欲しいんだ。」
そんなこと、私だってわかっている。
ルナのような存在がいるからこそ、この世の禍々しいものが浄化できるんだ。
ただ、今は私がマスターなだけ。
私がいなくなっても、ルナがいれば、ルナが宿る月のロッドがあれば、どんなときでも世の中に希望はある。
「そんなこと言っても、私には、エルフィンマスターとしての責任があるわ。
それは、ルナ自身が一番解っていることでしょ?」
しかし・・
「だから、ツキカはわかっていないって言ってるの!!
大切ってことは、好きってことだ!!
誰よりも、何よりも大事な人なんだ!!
私が今まで、どんな思いで今までのマスターと別れてきたかなんて、ツキカに解ってもらおうなんて思わない。
でも、これだけは覚えていて。
私はエルフィンだけど、マスターになってくれた人間のツキカが好きなんだ。
自分のマスターには笑っていて欲しいんだ。」
と、そう言ったのだった。
幼い頃より、自分自身の霊力の高さから、周囲から気味悪がられて、いつも独りぼっちだった所を救ってくれたのは、他ならないルナだった。
あの時に、ルナに会っていなければ、私は生きてはこれなかった。
だから、恩返しがしたい。
私も、ルナが好きだ。
私も、ルナには笑っていてほしい。
ずっとずっと笑っていてほしい。
出来ることなら、ずっと一緒にいたい。
でも、エルフィンと人間とでは、あまりにも寿命が違う。
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