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はじまり:世の歪み
世の中の、人々を愛そうという概念が真逆に働き、人の死を悼むことも振り返ることもなく、人の死をただその数でしか計算しない時代があった。
その中にあっては、相手を慈しむことさえ憚られた。
そして、負の連鎖は、大規模なものとなり、国家間や種族のいわれのない差別という形で繰り返されていた。
どこかに悪者を作って、まるで自分達が善人とでも言うかのように。
まるで捌け口をただ求めるためだけに。
まるで、暴力が正義と言わんばかりに。
世界的な世の中の歪みの嵐は、人々の心を確実に蝕んでいた。
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