74人が本棚に入れています
本棚に追加
何とかなる
・・・
泣き止んだ2人の間に、微妙な空気が流れる。
気まずい沈黙。
沈黙を破ったのは、あたし、心音だった。
「はぁ・・・すっごい泣いたねー・・・」
呟くように言ってみた。瑠花は、静かに頷き
「あー、これからどうしよっか・・・」
と言って溜息をついた。あたしは
「んー・・・とりあえず歩こ!じっとしてても仕方ないし、ね?」
と言って、座り込んだままの瑠花の手を取り立ち上がらせると、何歩か進んで
「ほら、はやく!」
と急かした。瑠花もそれに応えるように、トタトタとついてきて
「どっちに行くの?」
と尋ねた。あたしは
「あ・・・ 考えてなかった・・・」
と言い下を向いた。全然考えてなかった・・・。
(・・・まぁでも、何とかなるだろう)
不思議と、そんなふうに思えてきた。あたしは、満面の笑み(のつもり)で瑠花を真っ直ぐ見つめて
「・・・どっちに行ったって、きっと、2人なら何とかなるよ!適当でも大丈夫だよ!」
と言って、再び瑠花の手を取り、歩き出した。
行きたいな、とあたしが思った方へ。
最初のコメントを投稿しよう!