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時計
どのくらい歩いたのだろう。
私、瑠花はもう、嫌になってきていた。
「ねぇ、まだ花畑終わんないの?」
と心音が溜息混じりに言う。それに対して私は
「私が聞きたいよぉ・・・」
と応える。これも何度繰り返したことか・・・
いつまで歩いても、この花畑は終わらない。
どのくらい歩いたんだろう。ふと気になって、スマホを開いてみた。
時間を確かめようとした、したんだけれど。
できなかった。時計の表示が、最初に見たときから1分も進んでいない。
壊れたのかな?その可能性を考えて、私は心音のを見せてもらうことにした。
「心音、スマホ貸して」
「え、何すんの?」
心音が不思議そうな顔をするのは一旦無視する。ちょっと強引にスマートフォンを借り、時間を見てみた。だめだった。
「何なのよー・・・」
思わず呟く。
心音のスマホも、同じ状態だった。心音が
「どうしたの、瑠花」
と不安そうに聞いてくる。私は
「時計がおかしいの」
と言って私と心音のスマホを見せ、状態をざっと説明した。
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