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え?
「え、えぇ・・・じゃあ、時計も使い物にならないってこと、だよね?」
あたし、心音が零した言葉に瑠花は
「そうみたい・・・」
と不安げに言った。
あたしは
「困ったね・・・ここに来てどのくらいたったかとか、分かんないじゃん・・・」
と呟く。瑠花は、そっと頷いて
「この世界では、時計おかしくなっちゃうのかな・・・ 地図も・・・」
と呟いた。あたしは
「そうだね。困ったけど、まぁ、今は考えてても仕方ないし・・・とにかく進も!」
と言って、瑠花の手を引いて駆け出した。
瑠花は、慌ててついてくる。
ちょっと進んだところで、乗っていた足場が、ぐにゃり、と奇妙に歪んだ。
「え?」
瑠花の驚いた声が聞こえた。あたしは、目を見開いてその光景を見つめた。それから、瑠花の手をぐっと握りしめる。
ヒュオッ
そこでまた、風の音がした。
「きゃっ・・・」
「うわっ・・・」
2人の悲鳴が重なる。
あたしは反射的に瞼を閉じた。
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