74人が本棚に入れています
本棚に追加
進も〜
結構長いこと泣き続けていた気がする。
ここに来てから、何だか泣いてばかりな気がするな、なんて思った。
「あーあ、泣いた〜」
りりちゃんが呟き、空を見上げる。
それに吊られて、あたしと瑠花も空を見上げた。
しばらく空を見上げたあと、あたしは
「もう、考えるのやめ!思い出すの待と!」
と叫んで、勢いよく寝転がった。
「痛っつ」
地面がアスファルトだったこと忘れてた。
頭に痛みが走った。そっと、血が出ていないか確認しながら、頭をさする。
そんなあたしを見て、りりちゃんが吹き出し、それに吊られたのか、瑠花も吹き出し、しまいには大笑い。何だかおかしくなってきて、あたしも笑った。
「よし、進も〜」
突然、りりちゃんがそう言って歩き出した。
あたし達も、慌てて、それについて歩き出す。
「こっち」
「あ、そっち」
「まっすぐ」
りりちゃんが、少しも迷うことなく、複雑に入り組んだ道を進んで行く。
あたし達はそれについて行った。
「どこに出るんだろ・・・」
ぼそっと呟いてみた。独り言のつもりだったけれど、りりちゃんが気づいたようで
「ボクにもわかんないよ」
とはにかみながら答えた。瑠花が
「えっ?」
と戸惑っている。
あたしは
「そっかぁ」
と言って笑い、歩き続けた。
最初のコメントを投稿しよう!