「何か」

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「何か」

あたし・・・心音は、芝生の上にしゃがみ、ヒラヒラと動く「何か」を眺めていた。 「何か」を見ていると、ものすごい懐かしさが込み上げてきた。・・・触れてみたい。 「何なんだろう・・・」 と呟きながら、あたしは「何か」に触れようとする。でも「何か」はヒラヒラと逃げていってしまう。 そうして、追いかけているうち、木と苔が増えてきた。まだ、あたしは追いかける。 「・・・ここ、どこ?」 いつの間にか、芝生はなくなり、苔ばかりになっていた。「何か」を追いかけるうちに、変なところに来てしまったみたいだ。 「・・・?」 何か、ものすごく大事なことを忘れているような気がした。 思い出そうと記憶を探る。 「ゔっ」 頭がズキン、と痛み、その場にうずくまる。 どうしたらいいか、分からない。 そんなあたしの横で「何か」がヒラヒラと飛んでいた。
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