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行かなきゃ
「何が、起きた、の?」
あたし・・・心音は思わず呟いた。さっきまで一緒にいたはずの、瑠花が、いない。
「る、瑠花? ・・・瑠花、どこ!?」
あたしは、慌てて周りを見た。いない。どこにもいない!瑠花が進んでいった方を見る。
「え!?」
瑠花が進んでいった道が、ぐにゃり、と歪んだ・・・ように見えた。
「・・・もしか、して、この向こ、う?」
漫画とかだとよくある話だ。時空の歪み的なやつで、異世界に飛ばされる。
もしかしたら、瑠花も・・・?
普通なら、こんな馬鹿げたこと考えない。でも、今は違う。状況が、状況だ。
「行って、みる?」
自分に聞いてみた。
・・・やっぱり瑠花を放ってはおけない。
行かなきゃ。怖さを誤魔化すように、あたしは深く頷き、踏み出した。
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