74人が本棚に入れています
本棚に追加
見つけた
〜♪ 〜♪
呼出音が流れる。
・・・心音が出なかったらどうしよう。
そんな考えが、ぐるぐると頭の中を回る。
スマートフォンを握りしめながら、心音が出てくれることをひたすら願った。
「・・・瑠花!?」
心音の叫び声で、耳がキィン・・・となった。かなりの大声で、それも耳元で叫ばれた。耳が痛かったけれど、電話が繋がったのが、すごく嬉しくて、安心できて、涙が零れ落ちた。
「心音ちゃん・・・」
溜息のように呟く。それから
「今、どこにいる?私のとこに、来れそう?」
と とりあえず聞いてみた。心音は
「えっとね・・・今あたし、花畑のとこにいるんだけど・・・ 瑠花は?」
もしかして・・・心音も、近くにいる?嬉しさと同時に、会いたい、という思いが込み上げてきた。独りは怖いし・・・。 色々考えつつ
「私も花畑にいるの!どの辺?何か、目印とか、ある?」
と聞いてみた。すると心音は
「えっとね、背があたしくらいある、青い花がたくさん咲いてるとこで・・・」
青い花!私は周りを見渡した。
・・・見つけた!かなり遠いけど、確かにある。 背が高くて、青い花。
「見つけた、見つけたよ!」
さっきの心音に負けないくらいの声で叫んでから
「今行くから!待ってて、動かないでよ!」
とだけ言い、電話は切らずに、青い花があるところに向かって走り出した。
最初のコメントを投稿しよう!