7 . 佐伯姫乃

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ずっと黙っていた日吉朝春が、ようやく口を開いた。 「お前、資料室の前にいたのか?」 「そうですよ。私も先生のこと怪しいと思ってたんで」 「そうか」 言いながら、ゆっくりと立ち上がり姫乃を見据えた。 「お前が犯人だったんだな、佐伯」 「は? なにを言って……」 姫乃は彼の言葉の意味がわからなかった。 「それじゃあ、ちょっと付き合ってもらおうか」 朝春は姫乃の言葉を無視して歩み寄る。 姫乃には見えないよう、スタンガンを体の後ろへ隠しながら。 「意味わかんない。私はただ資料室で……」 「俺は昨日、資料室には行っていない」   目の前までやってくると、朝春は冷たく言い放った。 「なっ、そんなわけ────」 瞬間、姫乃の視界に火花で散った。 「っあ、が」 力が抜け、膝から崩れ落ちてしまう。立ち上がろうにも力が入らない。 「ありがとよ。引っかかってくれて」 頭の上から、声が聞こえた。 「会いたかったぜ、元凶(はんにん)」   冷めた声を最後に、姫乃の意識は途切れた。
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