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小太郎がブリードに声をかける。
「なんとかなったな」
「ああ」
ブリードが、地面に落ちた大剣を拾う。その様子を見て、小太郎とロゼは不思議がる。
「ブリード?」
「その剣、使い物にはならないと思うぜ? ボロボロだ」
「この鎧武者。この場所を守っていたんじゃないかな?」
「え?」
ブリードは土を集め、大剣を集めた土の上に突き刺した。それから鎧武者の兜を大剣の持ち手に引っ掛ける。
「何やってんだよ」
「もしかして、お墓のつもり?」
弔いをするなんて。労いや敬意を表しているのか、とロゼは思った。今までこの場所を守護していた鎧武者に対して。本人は照れくさくなったのか、淡々とした口調で鎧武者の墓を作る。
「別に。ただの気まぐれだよ」
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