第二話

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☆ 港の近くを散策するブリードとヴォルト。出店がいくつか並んでいて、二人は興味のある方へと視線を移しながら歩いていた。 やがて、ブリードの足が止まる。ヴォルトが、ブリードの視線の先を見る。武器屋のようだ。武器を見定めるブリードに、ヴォルトが訊ねる。 「前から思っていたのだが」 「うん?」 「刀に付けている、その石はなんだ?」 ヴォルトがブリードの刀を見る。持ち手に紐が付いていて、紐の先には黄緑色の小石が結ばれてあった。 「ああ。ヴォルトはクリマを知らないんだっけ」 「クリマ?」 「人間離れした動きや、魔術を使うために必要なアイテムだよ。小石サイズのクリマを武器に取り付けるのが一般的だな。クリマは使い続けると、砕けて塵になるから。大抵、皆、予備を持っている」
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